| 欧州裁判所、EC条約に基づく商標指令10条1及び12条1についての法的解釈を明らかにする |
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EC条約に基づく商標に関するEU指令10条1は、“商標は登録手続き終了の日から数えて5年以内に使用されなければならない”としている。
登録手続き終了の日とは具体的にどの時点をいうのかについて欧州裁判所に判断が求められていた。(C-246/05 Armin Haupl 対 Lidl Stiftung & Co KG)
2007年6月14日欧州裁判所は、“登録手続き終了の日付はEU各加盟国の商標手続規則に従って各国が定めるべきである”とした。
フランスでは商標は出願の日から商標法によって保護される。更新手続きは出願日を基に数えられる。が、一方使用義務の発生日である登録の日付とはフランス特許庁が定期的に発行する登録簿(BOPI)に商標が登録掲載された日付のことである。これは2004年2月25日の政令及びその後の判例によって確定している。
欧州裁判所に判断が求められていた2つ目の問題は、商標指令12条1には、商標の“実際で真剣な”使用が、“正当な理由”なく継続して5年間なければその商標は取り消すことができる”としているが、“正当な理由”とは何を指すのか、と言う点であった。
欧州裁判所は、実際で真剣な商標の使用を妨げる障害があって、それが商標未使用の正当な理由に相当する、と主張できるのは、以下の2つの条件が備わっている場合のみである、と判断した。 即ち、
- 使用が不可能になっている、または使用できない不合理が生じている商標とその障害との間に直接の関係があること、及び
- その障害が商標権者の意思と関係がないこと、
欧州裁判所は、商標指令12条を分析したあと、商標の“実際で真剣な使用”という用語と“正当な理由”による未使用という用語は、共同体法に根本を発しているのでEU内で均一な解釈がなされなければならない、とした。2つの用語は密接に関連しており、同じ厳しさをもって定義されるべきである、としたのである。
欧州裁判所は、また、「TRIPS条約19条は、“正当な理由”に関して公権による輸入制限やその他の公権による命令を挙げている。商標権者の意思とは関係のないそのような状況は確かに商標未使用を正当化するものはであるが、しかしそれだけでは商標取り消しを免れ得る“正当な理由”の定義としては不十分で、商標使用を妨げる障害が、商標と直接の関係があること、即ち、医薬品の市場販売認可手続きのように、ある商標の使用は行政手続が完遂したときのみ可能であるような障害であることが必要である」さらには、「商標権者にその商標の不合理な使用を強いる結果になる障害があるときにも“正当な理由”と判断できる」、との判決を下した。
この判決によって、EC条約に基づく商標指令はEU各国の国内商標登録手続き規則を同一のものにする主旨は持たないこと、加盟各国は登録手続き終了の日の定義について独自に決定ができることが明らかになった。
登録日から数えて5年間商標未使用を根拠とする商標の取り消し請求を求めるときには、その加盟国で決められている商標登録終了の日付けをまず確認することが必要である。
また商標の未使用による商標権取り消しを免れることを可能にする“正当な理由”の定義については、欧州裁判所の今回の定義がEU加盟各国の裁判官によって採用されることになるので、取り消し請求にあたっては、欧州裁判所が定義した“正当な理由”によってその商標使用を妨げている障害がないかどうかまず検討することが必要となろう。
©Cabinet Beau de Loménie/2007年7月
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